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外壁塗装、その「無料点検」は本当に無料でしょうか

ある日突然、見知らぬ人が家に来てこう言います。「近くで工事をしていて、お宅の屋根に穴が空いているのが見えたので」。屋根に登らせてほしいと言われ、言われるままにお願いしてしまいそうになる——こうした相談が、外壁・屋根の分野では繰り返し寄せられています。実際にYahoo!知恵袋に寄せられた相談では、回答した屋根職人自身が「詐欺です。屋根屋の私が断言します」と即座に返しています。理由はシンプルで、「よその家の屋根の穴が、地上や隣の家の作業現場から見えるはずがない」からです。

この手口には共通の型があります。

  1. こちらが呼んでいないのに訪問してくる
  2. 「今すぐ確認しないと危険」という不安を煽る言葉を使う
  3. その場での契約、または即日の作業着手を求める
  4. 「ご近所には金額を教えないでください」など、他人と比較させない条件を付ける

実際に、外壁塗装の訪問営業で「250万円のところを、今日契約いただければ170万円にします」と持ちかけられ、その場で契約したケースもあります。金額だけ見れば「安くなった」ように感じますが、内訳や工程の説明がないまま契約を急がされている点は変わりません。

「点検」を名目にした別のパターンもあります。ある相談では、床下点検業者から電話を受け、もっともらしい説明をされて点検の日程を承諾してしまいました。後からキャンセルしようと電話をかけ直しても、何度かけても留守番電話につながるだけで折り返しが来ず、「このまま連絡がつかないまま当日業者が来たら、出張費を請求されるのでは」という不安を訴えていました。この相談のように、一度承諾してしまった後の対応(連絡が取れない・断りづらい)まで含めて不安が大きくなる点検商法は、外壁だけでなく床下・屋根など建物全般で共通しています。

しつこく訪問を繰り返される場合の対応もあります。ある家庭では、隣家の塗装業者から「挨拶」名目で2回訪問を受け、断っても訪問が続き、応対しないとドアを叩かれるという事態になった相談があります。この相談では最終的に「あまりしつこいと警察を呼ぶ」と伝えることになったと記録されています。断る意思をはっきり口頭で伝えること、しつこい場合は記録を残すことが、こうした事態への現実的な対応になります。

数字で見る点検商法の実態

これは体感の話ではありません。国民生活センターの集計によると、点検商法に関する相談件数は2年間でおよそ2.4倍に増えており、2024年度は19,215件にのぼっています。「最近増えている気がする」ではなく、実際に増えているジャンルだということです。

もし契約してしまっても、8日以内なら取り消せる

訪問販売でその場の空気に押されて契約書にサインしてしまった場合でも、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリングオフ(無条件での契約解除)が可能です(消費者庁の特定商取引法ガイドに解除できた実例が掲載されています)。違約金や工事費用の負担なしに解除できる制度なので、「もう契約したから終わり」ではありません。まず日付を確認してください。

ビフォー/アフターで見る対応の違い

ビフォー(訪問営業をそのまま信じた場合)

  • 相手のタイミングで話が進む
  • その場で契約を求められる
  • 比較対象がなく、金額の妥当性を判断できない

アフター(自分から一括見積もりを取った場合)

  • 自分のタイミングで複数社に問い合わせられる
  • 電話またはメールで、時間をかけて検討できる
  • 複数社の見積もりを並べて金額の妥当性を判断できる

「訪問してくる業者を警戒すること」と、「自分から比較を取りに行く一括見積もりを使うこと」は、似ているようで正反対の行動です。前者は相手のペースで判断を迫られ、後者は自分のペースで複数の選択肢を比較できます。外壁塗装の検討自体をやめる必要はありません。窓口を、相手が決めるか自分が決めるかを変えるだけです。

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